”お前は、俺の光だった。”
2018年、夏。
神奈川県。
私立紫苑学園に通う高校2年生の渡井佑希(わたらい・ゆうき)は、軽音楽部に所属している。
夏休みに入り、合宿を行うことになった軽音楽部。しかしその合宿は仕組まれたものだった。
佑希たちが連れてこられたのは見知らぬ施設。
『青少年特別育成プログラム』――通称『プロジェクトF』。
16歳から19歳までの健康で優秀な男子のみが選ばれるという特別なプログラム。佑希たちはそのプログラムに選抜されたのだった。
『B0117』。
それが佑希たちのチーム名である。
混乱する佑希たちの前に、『A0081』と呼ばれる9名の少年たちが現れる。
驚く佑希。
そこには、数年前に事故で死んだはずの親友・惣一神楽(そういち・かぐら)がいたからだ。
優しかった親友は、佑希たちに告げる。
「お前たちを全員殺す」
動揺する佑希。
わけもわからぬままに、佑希たちはプログラムに参加することになる。
絶望、希望、友情。
2019年、2020年、そして2021年。
定められた未来。
待ち受ける死。
仕組まれたシナリオ。
戦う少年たち。
諦めた大人たち。
何もしない傍観者たち。
死に向かう欲動の名を持つ蝶が羽ばたく時、世界は崩壊する。
”命にひざまずけ。”